しかし、彼らを乗せた飛行機は南太平洋の島に落下。
生き残ったのは、最高でも16歳ほどの未成年とちびっ子のみ。
彼らは、ラーフを隊長に選び、何とか生き残る道を模索する。
ピギーのかけていたメガネを用い、火を起こし、
篝火(かがりび)をあげることで救助を待つことに。
幸いなことに天敵も見当たらず、
果物が豊富だったこともあり、戦争体験することもなく
結構しあわせな日々を送っていた。
しかし、小さな子供たちが見たという不気味な獣(幽霊とも)
という漠然とした不安。
そして、ラーフと狩猟隊によるジャックとの対立と
深まっていく溝によって、人間の持つ本質(残忍性)が
表面化していく。サイモンが出会った「蠅の王」という
超自然的な存在が象徴する人間性。
残虐性にめざめ、野生化してしまった少年たちは
暴力を正義や正当性に置き換えて、
かつてあったはずの秩序と楽園は崩壊していく…。