2008年11月25日

『佐賀のがばいばあちゃん』島田洋七


世知辛い世の中だからこそ、人のやさしさや助け合いや、

知恵や、笑顔やたくましさが試されるチャンスなのだと思います。


昭和33年、広島と母と二人で住んでいた徳永昭広少年ことオレは

やむを得ない事情から、電車に乗せられ佐賀のがばい(すごい)

おばあちゃんとの二人暮らしをはじめます。七人の子供を、

掃除婦をしながら、たくましく育てあげたおばあちゃんは、

「おばあちゃんの知恵袋」的存在であり、たくさんの生きるヒントを

持っている人でした。明るい貧乏であれ!と語るおばあちゃんは、

磁石で鉄くずを集め、川から流れてくる「恵み」をそつなく回収し、

ケチと言うよりも倹約精神にあふれた、時に切符のよい人でした。


そんなあばあちゃんと、佐賀で出会ったやさしい人たちとの

中学までの青春時代をつづった物語。

物語に登場する同級生や先生とのエピソードがまたいい話ばかりで、

なんか世知辛い世の中だからこそ、余計に人におすすめしたくなる

エッセイです。190ページですが、ページ数より軽く読めます。
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2008年11月22日

「読書三昧」

私は、人生において漫画を読んでいる時間と同じくらい読書を

している気がする。


身体が不調で、療養を余儀なくされたときなど一日に十時間以上

本を読むこともある。←本を読むくらいの気力はある状態。

受験生が十時間以上勉強するという事実に比べ、娯楽でしかない。

コーヒー中毒(ネスカフェ中毒)と活字中毒、ブログ中毒にも

罹患している気がするが多分気のせいだ。

(なんでも「気のせい」にするのは深刻な事態だ!)


作家だと、宮部みゆきさんとか恩田陸さん、浅田次郎さん、

エラリークイーンにクリスティ、芥川龍之介、北村薫さん

とかも好きだが、ズッコケ三人組とか読書のきっかけになった

児童書とかも今でも読むことがある。まだ5冊位しかよんでいないが

伊坂幸太郎さんの小説はすごくおもしろい作品が多いと思う。

「砂漠」とか「終末のフール」が特におすすめだ。

小説ジャンルで今一番注目されているのは、文句なく東野圭吾さん

だと思う。拙ブログでも本紹介をしたが、気付いたら10作品近く

紹介していた。「エンターテイメントに徹する」という東野さんの

作者の姿勢が私は大好きだ。東野さんの本の紹介は↓コチラから。

http://book0001.seesaa.net/pages/user/search/?keyword=%93%8C%96%EC%8C%5C%8C%E1&vs=http%3A%2F%2Fbook0001.seesaa.net%2F&fr=sb-sesa&ei=Shift_JIS


パソコンにおいて、「名作を読む」というツールがある。

最近ではネット小説もあるが、私には食指が動かない。

ひとつには、「縦書きではない点」。

ブログを読んだり、運営したり、インターネットを活用される方には

ピンとくると思うが、横書きは長文に向かない。

読むスピードが全然違う。例えば、最近読んでおもしろかった

「白夜行」とか「砂の器」という小説をパソコンで読もうとは

絶対に思わない。


次に、「ページをくるおもしろさがない」点。

本の虫や漫画を好きな方は、あの次のページをめくるワクワク感、

言い換えるのならば世界の扉を開ける感覚が好きなのだと思う。

漫画とかだと次のページに「バーン」と決め台詞が来ることが多い。

その演出とかも含めて、大事だと思う。ネット漫画だと下に移動

させる形式と、次のページにスライドさせる形式があるがぺラッと

ページをめくる演出とかしているネットは心憎い演出だと思う。


後は、「眠るという行為の妨げになる」。

パソコンやケータイを就寝前に使用していると、頭が覚醒するという

研究結果がある。深夜にゲームや麻雀をすると目が冴えるのと

同じ現象が起こる。私は就寝前に読書をする習慣があるのだが、

相性の良さも含めてやはり読書は本で行いたい。

本がおもしろすぎて朝を迎えたという思い出もあるが、それは

稀有なケースということで……。

でもなぜ、テスト前とかになると「読書」願望が強くなるのか?

人は時に現実頭皮もとい現実を逃避したくなるのか。その当否は

わからないが、毛乳頭を刺激活性化し育毛を促進するするためには

深夜に起きているのは身体にも、髪にも悪そうだ。

でも受験生や企業戦士やいろんな立場の人たちは

「戦わなきゃ現実と」と無理しちゃうんだろうなぁ。

犬や猫にとって、秋は抜け毛の季節。


〜11月は絶好調です。中畑清以来の。ありがとうございますね〜
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ラベル:日記 読書 コラム
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2008年11月10日

小説「恋愛中毒」山本文緒


第5夫人として、小説家と恋愛関係の泥沼に陥っていく、

謎多き女性水無月の悲しき恋愛体験を綴った傑作恋愛小説。

吉川英治文学新人賞。導入部もうまく、ぐいぐいひき込まれる。


恋愛関係のごたごたから転職した青年。心のバランスを失って

しまった元恋人は、出版を営む職場にまで押しかける始末。

現状から逃げようと青年は、「今日だけはお願いします」と

電話の取次ぎを事務員の水無月に任せた。

水無月はその後、会社に押しかけてきた女性を説得して

一旦引き下がらせた。妙に貫禄があり、事務所の書籍の5%がなぜか

水無月に振り込まれているということを知った青年は、水無月の

秘密を知ることになる。水無月は語りだす。


水無月は、離婚経験のあるさえない30過ぎのおばさんだ。

英語に堪能なので、ちょっとだが訳書をしたり、弁当屋のパートを

しながら生計を立てていた。水無月は、ある日自分が学生の頃から

ずっとファンだった芸能人にして小説家創路と出会う。

過去の悲しい体験から

「これから先の人生、他人を愛しすぎないように。

 他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように」

と思っていた水無月だったが、人の心に土足であがることに

何のためらいもみせない創路によって結局つきあうことになった。


創路は、妻と3人の愛人がいる(わかっているだけで)こどもっぽい

わがままな男であり、水無月はことごとく創路に振り回される。

しかし、そんな生活であっても水無月は彼に必要とされていると

いう想いから奮闘。創路の愛を独占しようと、姦計を企てる。


登場人物のほとんどが、ひとくせもふたくせもある人々であるが、

水無月自身も言動から「普通ではないな」と思わせる所があり、

後半に謎多き彼女の悲しい過去が語られ、構成とかも含めて

唸らされた。恋愛小説なんてとバカにしていたが、いわゆるべたべた

感もないし、登場人物に対する著者の突き放し方とかがよかった。


私の本の好き嫌いは、登場人物の言動に同調できるか、

反対に全く自分と違うからこそ魅力を感じるのだが、

この本の場合は明らかに後者だ。400ページ。
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2008年11月08日

『Dr.ヘリオットのおかしな体験』ジェイムズ・ヘリオット 池澤夏樹訳


心優しい動物のお医者さんヘリオットが、動物や人々との生活から

受ける様々な体験をつづったベストセラー。奇妙な行動を取る動物

たちや、ヨークシャーの自然と共に生きるたくましいひとたち、

過酷な兵隊訓練などがユーモラスに感動的に、やさしいタッチで

描かれている。480ページ。


生まれたときから、ずっと世話をし、たくさんの牛乳を出した

老いた牛を売ることにしたデイキンさん。ドナドナをほうふつと

させる第一章は、売られたはずの雌牛ブロッサムが、牧場に戻って

きてしまったときに、「売るのをやめよう」とヘリオットとデイキン

が決心した瞬間からはじまる。そのとき、ヘリオットは過酷な

兵隊訓練を強いられていた。ぼくも家に帰りたい。というすごく

当たり前の気持ちの中で書かれたこのはじまりの物語が、30章を

超えるこの物語の核になる部分であり、最終章31章では除隊となり

かけがえのない家族のいる家に帰れるというしあわせを噛み締める

構成となる。物語は、想像妊娠してしまった動物たちや、献身的な

世話焼き好きなナースのような犬などの奇癖や、数々の奇病と闘う

獣医ヘリオットの活躍を描く。
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2008年11月07日

「狷介の相違」



会計検査院が全国47都道府県から12道府県を選び、検査した結果

調査した12道府県すべてで「不正経理」が行われていた。

どこかの県知事の言葉ではないが、おそらくすべての都道府県でも

あるであろうし、それを前提に調査する必要があるだろう。


相変わらず「旅費」名目を筆頭に、無駄遣いしているらしい。

発覚するたびにただ頭を下げて、ほとぼりがさめたらまたやらかす。

「厄介村の厄介さんがまたやらかす」という図式は、有史以来ずっと

続いていく。たまに、立派な人が政治家になっても周囲の毒によって

転んだり、辞めるかしているのだと思う。田中正造的政治家が再び

現われるのは、マンガや小説やドラマだけなのか?見たいものだ。


汚いことをして捻出した金で楽しめるという性根が気に入らない。

教唆(悪いことをそそのかして他者にやらせる)は共同正犯であり、

直接手を下していない「カツアゲ」は、より性質が悪い。


その際に、「見解に相違」があるという見苦しいいいわけをした

県知事がいたが、私と彼との間には見解に相違があるようだ。


政治家はある意味で「狷介」(けんかい)でなければならない。

ずる賢く、したたかで本心語らず、のらりくらりとかわすイメージ。


さて、辞書で狷介(けんかい)を調べたら、

狷は「頑固」、介は「堅い」を表し、現在は悪い意味で使われる。

本来の意味は、「固く自分の意思を守って人と妥協しないこと」

とある。狷介孤高としたら、「超然とした」というプラスの意味で、

頑固で他人の言うことをきかない意固地な様子というマイナスの

意味でしかない。

見解の相違ならぬ、狷介の相違があったようだ。

どうやら老獪(ろうかい)と混同していたようだ。

政治家は、本来の意味の狷介でもなくてはならない。

もちろん「他人の足を引っ張る」ことや、「揚げ足をとる」ことや、

「お金儲けをする」、「威張り散らす」「電車にタダで乗る」

ために自分の意思を貫くという意味では断じてない。


私(国民)と政治家の間には、見解の相違がある。


←ゲーム機だのまで「私的流用」や「裏金」で買われていた。

国民の公僕が聞いて呆れる。職員たちの給料で補填できるレベル

じゃないんじゃ?やっすい頭を下げられてもなぁ……。


〜読んでくださって、ありがとうございます〜
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「1253億円にものぼる無駄遣い」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081107-00000073-jij-soci
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2008年11月01日

小説「禿鷹の夜」逢坂剛




ヤクザすらも恐れる冷血漢ハゲタカ−禿富鷹秋(とくとみたかあき)

は、はぐれモノの警察官。残酷なまでの暴力を駆使し、ヤクザに金を

たかる。強者、弱者の別なく、襲い掛かる凶暴な最悪の刑事。


任侠ヤクザ渋六興業の親分をひょんなことから助けたハゲタカは、

彼らとなあなあの関係を築きながら、大金を得る。正義のかけらも

ない情け容赦のないハゲタカだが、恋人だけには少年的な素顔を

のぞかせる。


しかし、その恋人に渋六興業と対立する南米マフィアから送られた

殺人鬼の魔の手が迫り……。読みやすいハードボイルド作品。

360ページ。
ラベル:小説 読書
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