2008年09月15日

小説「明日の記憶」荻原浩


50歳の広告会社営業部長に訪れた突然のアルツハイマーの恐怖と、

夫婦愛、家族愛、そして人生を描いた号泣必死の物語。

ハードカバーで320ページ。

山本周五郎賞。本屋大賞2位。すごくおすすめの小説。


主人公は、最近とみに物忘れがひどくなった。

人の名前や、簡単な暗算、よく知っているはずの建物の場所……

が出なくなった。娘は結婚を控えているし、ビッグビジネスが

動き出している。焦燥を抱えながら、主人公は医者から

「若年性アルツハイマー」だと告げられる。生活の所々に影が

生まれ始めた主人公は、彼を必死で支える妻と格闘しながら、

未来を模索するのだが……。


絶望感の中で、一縷の望みにかけて「自分らしくありたい」と

必死でもがくまさに等身大の人間を描いた物語は涙を誘う。

文章もすばらしい。趣味ではじめた陶芸にのめり込んでいく姿や、

仕事を遂行しようと必死でメモを取る姿などには、心を揺さぶられる

ものがある。


「心配しないで。だいじょうぶですよ。この道で間違いない。

 僕がずっと一緒に行きますから」
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 14:27| Comment(0) | TrackBack(0) | すごくおすすめ長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする