2008年07月03日

短編集「動機」横山秀夫


署内で、警察手帳が紛失した。その数30冊。

内部犯か?外部犯か?犯人の目的は?

表題作「動機」。日本推理作家協会賞。



「逆転の夏」

順風満帆の人生を歩んでいた男が、事件を機に転落。

元女子高生殺人犯の彼の元に、匿名で殺人依頼の電話が舞い込む。

はじめは、相手にしなかった彼だが、通帳にお金が振り込まれる

たびに、少しずつ相手の話を聞いてやり、いつしか離れてしまった

妻の心をお金でつなぐために……。


「ネタ元」

地方新聞の女性記者であるヒロインは、上昇志向の強い人間。

「認められていない」という想いを胸に、特ダネ探しに奔走。

「弱者を助けたい」という、若き日の信念はどこかに置き去りにし、

いつしか被害者を見ても、涙も流さなくなっていた。


そんな折、全国新聞から引き抜きの話しが舞い込む。自己分析を

したヒロインは、自分が持つネタ元(ネタ提供者)を理由に

引き抜かれたのでは?と思い当たる。


「密室の人」

裁判官が公判中に居眠り。しかも、妻の名を呼んでしまった。

瑣末なはずの事件が、内部の都合や私的なことも加わって、

主人公の磐石なはずの基盤を一気に瓦解する。



4編の社会派ミステリーを収録。290ページ。

いわゆる、笑える作品ではなく、唸らされるタイプの名作。

おすすめ同著として「半落ち」がある。
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 17:52| Comment(0) | TrackBack(1) | すごくおすすめの短編・短編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする