2008年06月10日

芥川賞「ブエノスアイレス午前零時」藤沢周

場末の旅館で働く孤独な従業員と、
盲目の老婆が出会った。

「温泉卵みたいな、においがするの……」

事実主人公カザマは、毎日のように名物の温泉卵を
お客様に提供していたし、自分でも食べていた。

「ブエノスアイレス、アルジェンティーナ」

不思議な言葉をつぶやく老婆と、カザマが踊るとき
雪が舞った。ブエノスアイレスの雪が舞った。


屋上にあるプレイランドに配属されたオレは、
一種世間から隔絶された感のある職場から解放
されてみたいと考えていた。こどもとゲームと
犬と猫に囲まれ、屋上から見えるのは地平線。
開放的でありながら、どこか物淋しい屋上。

そこには、一匹のポニーがいた。ほとんど動かず、
感情を表さず、超然としたポニー。

ある日、オレはすべてを解放せんと試みるのだが……

「屋上」、表題作「ブエノスアイレス午前零時」の2編を収録。
淡々とした作風、派手さはないが描写力の高いおすすめの芥川賞。
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 16:08| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめの短編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする