2008年05月10日

小説「インストール」綿矢りさ




私は、特別だ。特別なんだと信じたい。だけど、やっぱり
私はフツーの女子高生でしかなく、代わりばえしない存在。
一生懸命働いても、まともにアルバイトすれば700〜800円
しかもらえない存在でしかないんだ。

ある日、3年生の私は受験とか高校とか生活とか、もろもろの
ものを投げ出すことにした。とりあえず、私は家にあった
おじいちゃんとの思い出のパソコンやマンガ「バガボンド」や
机といった家にあるすべてのものをゴミ捨て場に運んだ。

そして、そこでカズヨシという小学生にあった。カズヨシは
私のパソコンを持っていった。

カズヨシには、若くて、少しずれたお母さんがいた。カズヨシの
実の母ではなく、不器用で、カズヨシは戸惑っていた。今考えたら、
カズヨシがあやしい世界に踏み込んでしまったのは、この人の
せいかもしれない。私はカズヨシと手を組んで、押入れの中で、
パソコンを介してのひともうけを企てる。私たちは、大人の世界を
垣間見る。さくっと読めちゃう125ページ。

「沈黙」をむりやり埋めてしまうくだりや、不恰好さを伴う不器用さ
に対する考察などがおもしろい。内容は、ちょっと官能的。



今日も俺は、プレゼントを与える。こうすることが、俺を彼・彼女に
つなぎとめる最大の方法であり、手段だ。なんだかんだ言っても、
プレゼントをすればみんなは、俺に対して悪感情を持たない。
そんな俺に、好きな人ができた。でも、彼女にはいわゆる値の張る
ようなものでなく、ちょっとしたものを贈りたい。心がこもった
ようなものを……。醒めた心に宿った、熱い心。35ページの短編。
「You Can Keep It」
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 08:57| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめの短編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする