2008年04月29日

小説「姫椿」浅田次郎


「懈 シエ(xie)」

顔は麒麟、角は鹿、足は牛、尾は虎、体は鱗に被われている。
そして、善人と悪人の判別ができる不思議な動物……「シエ」。

愛猫が、死んでしまった「ひとりぼっち」の主人公は、
ペットショップで不思議な動物シエに出会います。

人が聞いたら「不幸」だという人生を歩みながら、決して悲観
せず、生きてきた主人公。しあわせになってほしい。号泣。

「不幸の分だけ、ちゃんと幸せになれるよ。ほんとだよ。」


「姫椿」

死ぬことしか考えていなかった主人公。
一時の隆盛はどこへやら。
今は、自分に生命保険をかけて、死ぬ場所を探していた。

そんな主人公が、夢か幻か、若かりし頃元恋人、現奥さんと
訪れた「銭湯」にたどり着く。神田川をほうふつとさせる世界観と、
「生きる」っていう意味を考えさせられる物語。


「再会」

私たちは、久しぶりに再会を果たした。しかし、成功者と思って
いた旧友から奇妙キテレツ、摩訶不思議な話を聞かされた。

同じ人間の、違う人生を垣間見た。ホラー色を帯びた傑作。


「マダムの咽仏」

マダムは完璧だった。
完璧な男であり、女であり、そして完璧な人間だった。

そんなマダムが死んだ。私たちは、マダムのすごさを再認識する。


「トラブル・メーカー」

会社のお荷物的な部署に回された、まじめだけが取り柄のような
平凡な中年男性。彼は、飛行機で乗り合わせた私にひとりごとを
つぶやくように語りだした。自分に起こった、事件とその顛末を。


「オリンポスの聖女」

かつて本気で愛した女性を、私は自分の都合で捨ててしまった。
彼女は、本物のパフォーマーであり、芸の道を邁進し続けていた。

私は、立ち尽くす……。


「零下の災厄」

本当にふとしたきっかけて、最悪の災厄に巻き込まれることがある。
それこそ、現実は小説より奇なりって具合に。彼は語りだした。

雑誌社の帰宅は遅い。深夜を回ることなんてザラだ。彼は、自宅の
マンションの近くで泥酔している、変な美女を見つけ、介抱する
ことになってしまう。氏素性のわからない女の正体は?


「永遠の緑」

競馬が大好きな大学の教授は、今日も競馬に出かける。
彼は、競馬場において「先生」と呼ばれ、何人かの競馬仲間と
競馬を堪能していた。彼には、気がかりがあった。愛娘のことだ。

教授のかつての恋愛と、愛娘の恋愛をからめた感動の物語。
美しすぎる珠玉の恋愛小説であり、ほろりと泣かされた。感動。


以上8編を収録した短編集。おすすめ度は、同著「鉄道員」と並ぶ
最高評価。再読したが、やはりすばらしかった。

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posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 08:02| Comment(0) | TrackBack(0) | すごくおすすめの短編・短編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする