「8年後に巨大な隕石が地球に衝突し、人類が滅亡する」
というSF小説。人々は、暴動を起こしたり、自殺したり、
秩序が崩壊するも、あと3年で隕石が衝突という
カウントダウンを前にして、不思議と街は一定の秩序を
取り戻した。太鼓判を押す、おすすめの8つの短編集。
「容疑者Xの献身」と並んで、イチオシの本。280ページ。
「篭城のビール」イチオシ
報道の自由によって、妹と母を殺された兄弟は、
彼らの幸せを奪った男を殺す為にアパートに篭城する。
事件の被害者家族を襲う悲劇と、ギリギリの攻防、
罪の意識を描いた傑作。号泣、感動系の物語。
「鋼鉄のウール」イチオシ
キックボクシングにまい進する、二人の男の姿を描く。
かっこいい物語。世界が、混乱している今こそ強くなる
チャンスだと言い切る男の愚直さとあり方とは。
潔い生き方は、やはり胸を打つという好例の物語。
名言:「明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?」
「あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの
生き方なんですか?」
「演劇のオール」イチオシ
私は演じる。おばあさんの娘を。妹の姉を。
二人の子供のお母さんを。犬の飼い主を。
家族って元々、他人なんだしいっそみんなで
家族になろうかっていう物語。
同著「重力ピエロ」がおもしろかったので、読んでみたの
ですが、期待以上の内容でした。印象に残るフレーズとか
言葉を紡ぐのに長けた作家だと思います。