2007年12月20日

短編集「終末のフール」伊坂幸太郎


「8年後に巨大な隕石が地球に衝突し、人類が滅亡する」
というSF小説。人々は、暴動を起こしたり、自殺したり、
秩序が崩壊するも、あと3年で隕石が衝突という
カウントダウンを前にして、不思議と街は一定の秩序を
取り戻した。太鼓判を押す、おすすめの8つの短編集。
「容疑者Xの献身」と並んで、イチオシの本。280ページ。


「篭城のビール」イチオシ

報道の自由によって、妹と母を殺された兄弟は、
彼らの幸せを奪った男を殺す為にアパートに篭城する。

事件の被害者家族を襲う悲劇と、ギリギリの攻防、
罪の意識を描いた傑作。号泣、感動系の物語。


「鋼鉄のウール」イチオシ

キックボクシングにまい進する、二人の男の姿を描く。
かっこいい物語。世界が、混乱している今こそ強くなる
チャンスだと言い切る男の愚直さとあり方とは。
潔い生き方は、やはり胸を打つという好例の物語。

名言:「明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?」
   「あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの
                 生き方なんですか?」


「演劇のオール」イチオシ

私は演じる。おばあさんの娘を。妹の姉を。
二人の子供のお母さんを。犬の飼い主を。

家族って元々、他人なんだしいっそみんなで
家族になろうかっていう物語。


同著「重力ピエロ」がおもしろかったので、読んでみたの
ですが、期待以上の内容でした。印象に残るフレーズとか
言葉を紡ぐのに長けた作家だと思います。
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 19:10| Comment(0) | TrackBack(0) | すごくおすすめの短編・短編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

SF「時をかける少女」筒井康隆


ラベンダーの香りがする。何故だろう。和子は
懐かしい気持ちになる。そして感じる「運命」の予感を。

和子は、理科室で怪しい人影を目撃。逃げ場がないはずの
空間、しかしそこには誰もいなかった。

不思議なラベンダーの香りがして、和子は意識を失う。
クラスメイトの吾朗、一夫によって助けられる。

不思議な体験から4日後、和子はもっと不思議な体験を
することになる。登校中に、トラックにひかれると感じた
瞬間、気付いたらベッドの上で寝ていたのである。

和子が後に知ることになる驚がくの「真実」とは?。
さらりと読ませる、表題作「時をかける少女」(約100ページ)他
SFもの2編を収録。おすすめ。
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 08:10| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめの星新一・筒井康隆等SF小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

直木賞「高円寺純情商店街」ねじめ正一


主人公の正一は、商店街の乾物屋の息子。

店のかつをぶしを削ったり、自転車で
配達をこなす野球が大好きな中学生。

今、正一の心は沈んでいる。店の一番の
お得意先が、他の店に移ってしまうかも
しれないからだ。気の弱い父親は、
プレッシャーがかかると発病する天狗熱
にかかり、寝込んでしまった。

しかし、そんな頼りない父を少年は嫌いでは
なかった。(天狗熱)


六月は、乾物屋にとって地獄だ。商品にハエが
たかるし、湿気によって物が腐りやすく、
かんぴょうはきつい臭いを発する。

上から吊るされた「蝿取紙」を見ていると、
やはり六月はいやだなぁと少年は思う。

そして、となりの魚屋のケイ子と、蝿取紙に
ついた蝿の数を競っていた頃を思い出す。

父親が書いたふざけた「俳句」が元で、
暗雲立ち込めるねじめ一家。(蝿取紙)などを収録。

蝿取紙(はえとりがみ)
 黄色っぽい粘着質のある、ビニール状の道具。
 吊るしておくと、蝿などの虫が取れる。
 レストランの厨房(ちゅうぼう)などで重宝。
 頭に貼り付くと、嫌な気持ちになるだけでなく、
 取るのに難儀する

1960年頃の活気があった高円寺の商店街を舞台にした、
下町情緒あふれる物語。ほのぼの系の小説。

続編は「本日開店」
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 07:50| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめの長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする