2007年12月05日

感動長編「手紙」東野圭吾

兄は、弟を大学に行かせてやりたいと考えていた。
そして、盗み目的で入った家で殺人をおかしてしまう。

将来の門を開いてやりたかった兄の想いは、意図に反し
弟の将来という門をことごとく閉ざしてしまう。

兄と弟の間に、行きかう手紙。伝わらない想い、
伝えられない想い。読むほどに切なく、涙が止まらない。

被害者の家族、加害者、加害者の家族が抱える「傷」を
巧みに描いた社会派作品。

兄弟が、再会するラストシーンは感慨深い。355ページ。
(ハードカバーの長さです)
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 18:40| Comment(0) | TrackBack(0) | すごくおすすめ長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

名エッセイ「旅の途中で」高倉健


健さんのエッセイはすばらしい。健さんの優しさと、
「人が好き」というのが伝わってくるからだ。
1996〜2000年のエッセイ。

「ゴッドファザー」のマーロン・ブランドの
演技に感動する話を描いた(ひとすじの涙)。

鉄道員の名演から貰った賞を、謙虚な姿勢で
受け取る話を描いた(心に鞭)。

アメリカで、全米を代表するシェフになった
松久さんを描いた(デ・ニーロが待った男)。

生き仏、大阿闍梨(だいあじゃり、世の中の
人の為に千日回峰行というものすごい修行を
成し遂げた者への尊称)との談話など映画話
を中心に語られる珠玉のエッセイ集。
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 18:36| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめのエッセイ・私小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

恋愛短編集「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」江国香織



私たちの「ばばちゃん」の命が危ないらしい。病院に訪れた私と妹、母をばばちゃんは病院のベッドで静かに
待っていた。医者の話では、あと少しの命だという。しかし、
私たちは悲観にくれるわけではない。悲しみを乗り切る術を
知っているからで、ばばちゃんを愛していないからでは断じてない。
(泳ぐのに、適切でも安全でもありません)

など愛にためらわない、10の女性の物語。
ラベル:短編集 恋愛
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児童書「きみはダックス先生がきらいか」灰谷健次郎 絵坪谷令子

子供のときに読んで、強く印象に残っていた作品。読んでみて、
名作だと再認識。イチオシです。約100ページで、さし絵もよい。

〜あらすじ〜
体重、身長、自分のあだな、くせ、そして好きな歌手……。

新任のあいさつでの、先生の自己紹介は、めちゃくちゃだった。
名前は、西園寺靖尊(さいおんじやすたか)と立派だ。
でも、名前と外見が全然あっていない。

頼りない感じのダックス先生に、子どもたちは不満気味。

家庭訪問時、大ちこくをしてしまい、親の評判もかんばしくない。
こんな先生で、平気だろうかと心配になる。

しかし、ダックス先生はそんなのどこ吹く風で、目標として、
「いのこりは自由」、「道草をしましょう」をかかげる。
そして、そう考える理由をしっかりと説明する。

子どもからてんぷらをもらって、おいしそうに食べたり、
勝手にみそしるを作る授業をしたり、ダックス先生の暴走は
止まりません。しかし、そのへんてこな言動の裏には、
ダックス先生なりの意図(いと)があります。そして、
子どものことを見ていないようで、よーく見ているのです。

簡単なことを難しく言うよりも、難しいことを簡単に言う方が
ずっと大変ですし、ずっとずっと価値があります。
本当は、ダックス先生はすごく頭がよくて、子ども想いなのです。
かた破りで、童心なダックス先生の持つ人間的な魅力。
きっと読んだ後、あなたはダックス先生を好きになっています。
心が温かくなる一冊。
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 07:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 児童書・絵本・はれぶた・バッテリー・詩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする