2007年11月29日

短編集「セント・メリーのリボン」稲見一良


ハードボイルド短編集。テーマは、「男の贈り物」。
5編を収録。男たちは、自分の信じる道を行く。

「焚火」 おすすめ

やくざに追われる主人公が出会った、男気溢れる老人。
ささくれ立った主人公の心が、素直になっていく。


「花見川の要塞」ファンタジー

カメラマンは、未だに戦争を続けているという不思議な
おばあさんと青年に出会った。おばあさんたちの言う
思い出の「電車」と「青春」に彼は出会えるのだろうか?


「麦畑のミッション」軍事もの

「終着駅」おすすめ

赤帽(電車の荷物運び)が主人公。夢をかなえる、
思いがけないチャンスが訪れる。逃す手はない。


「セント・メリーのリボン」

探偵が主人公だが、ミステリーではない。猟犬や、盲導犬の
奪還を行う主人公の抱えるジレンマや戦いを描く。
ラベル:短編集 硬派
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 17:09| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめの短編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

SF短編集「最後の喫煙者」筒井康隆

くせのある傑作短編集。名作「急流」、「最後の喫煙者」、
問題作「問題外科」、「老境のターザン」など9つの短編集。

「急流」傑作、爆笑系

時間の進み方が、どんどん加速していくという物語。それで
いて、時計はそれに対応するように進むので人々は大混乱。
「時間」という決まりごとが崩壊すると、いろいろな場面で
支障をきたしだす。

ついには、

アナウンサーが「ニュースはありません」と言ったり、
新聞が年刊になってしまったり、
朝トイレに入って、出たらすでに夜になっていたり……

もうめちゃくちゃである。(他にも、実例が山ほどあり笑える。

しかも、この物語のオチがすごい。
読んだあなたは、「そんなばかな」と言ってしまうでしょう。


「問題外科」グロテスク、官能?

医者の倫理観の欠落が叫ばれて久しいが、この物語はそれを
より強調して書かれている。アブノーマルな世界が展開。


「最後の喫煙者」爆笑、ブラックユーモア

ヘビースモーカー作家のわしが主人公。タバコ=悪という概念が
究極的に進み、どんどん喫煙者の肩身が狭くなっていく。

そんなの関係ないと、わしはあの手この手でタバコを集め、
大好きなたばこを吸い続けた。タバコ屋や、喫煙者が過激な襲撃を
受け、遂には死人まで出てしまう。それでも、ワシはたばこを
吸い続けてやる。オチも鮮やかな名作。


「老境のターザン」ブラックユーモア

正義の味方ターザンも老人になり、「冒険」にやってきた
観光客のガイドを勤めるようになっていた。しかし、老境を
迎えた彼が達した領域は、「正義」ではなく「悪」だった。
ターザン(人間)の裏の部分、陰の部分を描いた問題作。

ラベル:短編集 ユーモア
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 08:36| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめの星新一・筒井康隆等SF小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする